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未経過固定資産税とは — 消費税の扱いと仕訳・経理処理

税金・経理公開日: 2026年7月10日

未経過固定資産税(固定資産税精算金)とは

不動産の決済では、買主から売主へ「固定資産税の精算金」というお金が支払われます。中身は、引渡し日から後の期間に対応する固定資産税・都市計画税の相当額です。「未経過固定資産税」「固都税精算金」とも呼ばれます。

名前に「固定資産税」とついていますが、このお金は税金の支払いではありません。税務上の扱いを整理すると、次の1行にまとまります。

精算金は税金ではなく、売買代金の一部。

税金そのものは、精算をしてもしなくても、1月1日時点の持ち主である売主が納めます。精算金は当事者間のお金のやり取りです。金額の計算方法は 固都税の日割り精算ガイドで解説しています。

税金ではなく「売買代金の一部」

「税金ではなく売買代金の一部」という整理は、国税庁が質疑応答事例で公式に示しているものです。精算金は役所に納める税金ではなく、当事者間の公平をはかるためのお金のやり取りであり、不動産の譲渡対価(売買代金)の一部にあたる、とされています(出典: 国税庁 質疑応答事例「未経過固定資産税等の取扱い」)。

この整理が、これから説明する消費税と経理処理のすべての前提になります。

消費税の取扱い

売買代金の一部である以上、消費税の扱いも建物・土地の代金と同じになります。

建物分の精算金には消費税がかかる。土地分にはかからない。

土地の売買はもともと消費税のかからない取引のため、精算金も建物分だけが課税対象になります。これは売主が消費税を納める事業者である場合の話です。整理すると次のとおりです(出典: 上記の国税庁 質疑応答事例、および 全日本不動産協会の解説)。

売主側買主側
建物分の精算金課税売上課税仕入れ
土地分の精算金非課税売上非課税仕入れ

売買契約書の段階で精算金の建物分・土地分の内訳を分けて記載しておくと、決済後の経理処理がスムーズになります。

売主側の経理処理

売主が受け取った精算金は、売却代金に上乗せして扱います。

個人が売主の場合は、譲渡所得(売却による利益)を計算するときの収入金額に含めます。国税庁の質疑応答事例でこのように整理されています(出典: 国税庁 質疑応答事例「未経過固定資産税等に相当する額の支払を受けた場合」)。法人が売主の場合も、考え方は同じです。

注意したいのは、「税金が戻ってきた」ものとして租税公課のマイナスにする処理です。精算金は税金の返金ではないため、この処理にはなりません。

買主側の経理処理

買主が支払った精算金は、租税公課として経費にすることはできません。

経費ではなく、土地・建物の取得価額(物件の購入代金)に含める。

精算金は売買代金の一部であるためです(出典: 上記の全日本不動産協会の解説)。建物分は減価償却を通じて、少しずつ費用になっていきます。

買主の仕訳のイメージ

借方: 建物(建物本体価格 + 建物分の精算金)

借方: 土地(土地本体価格 + 土地分の精算金)

貸方: 現金預金(売買代金 + 精算金の合計)

実際の処理は取引の条件や事業の形態によって変わります。個別の税務判断は、税理士等の専門家にご確認ください。

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よくあるご質問

Q.

固定資産税の精算金に消費税はかかりますか?

A.

建物分にはかかります。土地分にはかかりません。精算金は税金ではなく売買代金の一部、というのが国税庁の整理だからです(土地の売買はもともと消費税がかかりません)。売主が消費税を納める事業者の場合の話なので、細かい判断は税理士にご確認ください。

Q.

買主が支払った精算金は経費(租税公課)にできますか?

A.

できません。売買代金の一部なので、買った土地・建物の値段(取得価額)に含めて記録します。建物分は減価償却を通じて、少しずつ経費になっていきます。

Q.

個人が売主の場合、受け取った精算金はどう扱いますか?

A.

売却代金と同じ扱いです。国税庁の質疑応答事例で、受け取った精算金は譲渡所得(売却の利益)の収入に含める、とされています。