メインコンテンツへスキップ

固定資産税・都市計画税(固都税)の日割り精算ガイド

税金・決済公開日: 2026年7月10日

固都税の日割り精算とは

例えば、2026年7月10日にマンションを売ったとします。物件はすでに買主のものですが、その年の固定資産税の請求は、1年分すべて売主に届きます。

なぜ売った後の分まで請求されるのか。理由は課税のルールにあります。

その年の税金は、1月1日にその不動産を持っていた人が、1年分まとめて納める。

固定資産税と都市計画税(あわせて「固都税」と呼ばれます)は、このルールで課税されます(出典: 東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」)。年の途中で売っても、納める人は1月1日の持ち主のまま変わりません。

このままでは、売主は手放した後の期間の税金まで負担することになります。そこで不動産の実務では、次のように調整します。

引渡し日から後の期間の分は、買主が売主に支払って公平にする。

これが「日割り精算」です。1年分の税金を日数で分けて、買主の期間にあたる分を決済のときに売主へ渡します。年間パスポートを途中で人に譲るとき、残りの期間分の代金を受け取るのと同じ考え方です。

注意点がひとつあります。この精算は法律で決められた制度ではなく、取引の慣行です。行うかどうか、どう計算するかは売買契約書の取り決めによります。

日割り計算の計算式と計算例

計算の手順は3ステップです。

  • ステップ1: 1年分の税額を確認する
  • ステップ2: 365日(うるう年は366日)で割って、1日分の税額を出す
  • ステップ3: 売主と買主、それぞれの負担日数を掛ける

計算式

1日あたりの税額 = 年税額 ÷ 年間日数(365日・うるう年は366日)

売主負担額 = 1日あたりの税額 × 売主負担日数(起算日〜決済日前日)

買主負担額 = 1日あたりの税額 × 買主負担日数(決済日〜期間末日)

年税額15万円、2026年7月10日決済の場合は次のようになります。

計算例(年税額150,000円・2026年7月10日決済)

売主負担: 1月1日〜7月9日の190日分 → 150,000円 × 190日 ÷ 365日 ≒ 78,082円

買主負担: 7月10日〜12月31日の175日分 → 150,000円 × 175日 ÷ 365日 ≒ 71,918円

1年分の税額は、毎年春ごろに届く納税通知書・課税明細書で確認できます。手元にない場合は、市区町村が発行する公課証明書(名称は自治体により異なります)でも確認できます。固定資産評価証明書しかない場合は、評価額から税額を概算する方法もあります。

なお、「どの日から1年を数えるか」(起算日)には、1月1日と4月1日の2通りの慣習があります。どちらを使うかで金額が大きく変わるため、詳しくは 起算日の違いの記事で解説しています。

売主負担と買主負担の分け方

境目となる決済日当日の扱いは、次のようにするのが一般的です。

前日までが売主、決済日の当日からが買主。

「引渡し日から後は買主のもの。だから費用も買主が持つ」という考え方です。これも慣行のため、契約書に別の取り決めがあればそちらが優先されます。

オーナーチェンジ物件(入居者が入ったまま売買する物件)や区分マンションでは、固都税とあわせて賃料・管理費・修繕積立金も同じ決済日で分けるのが通例です。こちらは1年分ではなく、月額をその月の日数(28〜31日)で割って計算します。

端数処理のしかた

実際に割り算をすると、1日あたり410.958…円のように割り切れないことがほとんどです。この端数の扱いに、法令上の決まりはありません。

円未満を四捨五入する方法もあれば、切り捨てる方法もあります。重要なのは、売主側と買主側で同じ方法に揃えることです。計算方法が食い違うと決済の場で金額が合わず、確認の手間が増えます。使った方法を精算書に書いておくと確実です。

精算書の作り方

計算した結果は、1枚の精算書にまとめます。記載しておきたい項目は次の5つです。

  • 対象の物件と1年分の税額(建物・土地の内訳があるとより丁寧です)
  • 起算日と、対象になる期間
  • 決済日(引渡し日)
  • 売主・買主それぞれの負担日数と金額
  • 端数処理の方法

グリリの無料計算ツールを使うと、年税額と決済日を入力するだけでこれらが自動計算され、そのままA4・1枚の精算書として印刷できます。

無料サービス

日割り精算は、無料ツールで自動計算できます

固都税・賃料・管理費積立金の日割り計算と精算書のA4印刷に、登録不要でお使いいただけます。

日割り計算ツールを使ってみる

よくあるご質問

Q.

固都税の精算は法律上の義務ですか?

A.

いいえ、義務ではありません。売主と買主が公平になるようにする、業界の習慣です。だから「やるかどうか」「どう計算するか」は売買契約書の取り決めがすべてになります。

Q.

決済日(引渡し日)当日は、売主と買主のどちらの負担になりますか?

A.

当日から買主の負担、とするのが一般的です。つまり前日までが売主、決済日からが買主です。「引渡し日から後は買主のもの」という考え方ですが、契約書に別の取り決めがあればそちらが優先されます。

Q.

日割り計算の端数はどう処理しますか?

A.

決まりはありません。円未満を四捨五入する方法も、切り捨てる方法もあります。大事なのは、売主側と買主側で同じ方法に揃えること。なお、グリリの無料計算ツールは四捨五入で計算します。

Q.

精算書はどう作ればよいですか?

A.

年税額・決済日・それぞれの負担日数と金額がわかればOKです。グリリの無料計算ツールなら、税額と決済日を入れるだけで自動計算され、そのままA4・1枚の精算書として印刷できます。