固都税精算の起算日 — 1月1日と4月1日の違い
起算日とは・なぜ2通りあるのか
固都税の日割り精算では、「1年をどの日から数えるか」というスタート地点の決め方が2通りあります。1月1日と、4月1日です。このスタート地点を「起算日」と呼びます。
どちらを使うかで、同じ物件・同じ決済日でも売主と買主の負担額が変わります。差が数万円になる場合もあります。
2通りある背景には、税金のしくみがあります。課税の基準日は1月1日です(出典: 東京都主税局)。一方で、実際に税額が決まり納めるのは、4月から始まる「年度」です。このため、暦の1年(1月〜12月)で数える方法と、年度(4月〜翌3月)で数える方法に分かれ、地域ごとの慣習として残った、と説明されることが多いです。
関東は1月1日、関西は4月1日が多い。ただし法令の定めはなく、契約書が優先。
地域の慣習だけで判断はできません。実際にどちらを使うかは、売買契約書の精算条項で確認します。
1月1日起算(関東で多い方式)の計算例
1月1日起算では、1年を「1月1日〜12月31日」で数えます。年税額15万円・2026年7月10日決済の場合は次のとおりです。
按分期間: 2026年1月1日〜12月31日(365日)
売主負担: 1月1日〜7月9日の190日分 → 150,000円 × 190日 ÷ 365日 ≒ 78,082円
買主負担: 7月10日〜12月31日の175日分 → 150,000円 × 175日 ÷ 365日 ≒ 71,918円
売主が約7.8万円、買主が約7.2万円の負担になります。
4月1日起算(関西で多い方式)の計算例
4月1日起算では、1年を「4月1日〜翌年3月31日」で数えます。条件は先ほどと同じ、年税額15万円・2026年7月10日決済です。
按分期間: 2026年4月1日〜2027年3月31日(365日)
売主負担: 4月1日〜7月9日の100日分 → 150,000円 × 100日 ÷ 365日 ≒ 41,096円
買主負担: 7月10日〜翌3月31日の265日分 → 150,000円 × 265日 ÷ 365日 ≒ 108,904円
こちらでは売主が約4.1万円、買主が約10.9万円の負担になります。
どちらを使うべきか
2つの計算例を比べると、同じ物件・同じ決済日でも、売主の負担は約7.8万円と約4.1万円。3万円以上の差があります。
どちらが正しいという決まりはありません。そのため、実務で大切なのは次の1点です。
契約の前に起算日を確認し、売買契約書に明記する。
これで、決済の直前になって金額の認識がずれるトラブルを防げます。なお、どちらの方式が売主に有利かは決済日によって入れ替わります。決済日が1〜3月の場合は、1月1日起算のほうが売主の負担が小さくなります。
グリリの無料計算ツールは、1月1日起算(1月1日〜12月31日)で計算します。日割り計算の基本のしくみは 固都税の日割り精算ガイドで解説しています。
よくあるご質問
Q.起算日は法律で決まっていますか?
いいえ、決まっていません。関東は1月1日、関西は4月1日という習慣があるだけです。最終的には売買契約書の取り決めがすべてなので、契約前に確認しておくのが安心です。
Q.関東と関西でなぜ起算日が違うのですか?
はっきりした記録は残っていません。税金の基準日(1月1日)に合わせる考え方と、実際に納める年度(4月1日始まり)に合わせる考え方の違いから、地域ごとに習慣が分かれた──と説明されることが多いです。
Q.起算日によって売主・買主の負担額はどのくらい変わりますか?
条件によっては数万円単位で変わります。たとえば年税額15万円・7月10日決済の場合、売主の負担は1月1日起算で約7.8万円、4月1日起算で約4.1万円。同じ物件・同じ決済日で3万円以上の差になります。契約前に起算日を確認しておくことが大切です。
